ブルジョワジーの秘かな愉しみ | ヒトのにくばかりやくな

ブルジョワジーの秘かな愉しみ

今日は長い文章ですいません…。

私は、在宅で、雑誌のカット描きといった仕事をしています。

ネットが普及した現在、原稿の受け渡しも打ち合わせもメールですんでしまいます。
小さい子供がいますから、外出もままならないため
そういったほうが便利といえば便利で助かってはいますが
仕事の最初から最後まで、結局一度も会わなかった、
という取引先の方もけっこういたりします。

そんな状況のなかで、
たまにお仕事をさせていただく編集のAさんはめずらしい存在でした。
初めて仕事をいただいた際には
「ぜひ一度お会いしましょう!」
と強く言ってくれ、実際に会うと
その話し合いの中で、
メールや電話では伝えにくかった
仕事上のスタンスや微妙なニュアンスを汲んでくれたので
その後の仕事がお互いとてもスムーズになりました。
話す内容、雑談も趣味が似通っていたのかものすごく盛り上がり、
実際の仕事の内容、とある特集記事だったのですが
特集自体すらもそっち方面に急にシフトしていってしまったぐらいでした。

仕事の実際面でも、とくに連絡がきちんとしていて
電話をかける際もきとんと
「いま、よろしいですか?」
と確認してくれるし、
ラフの返事をくれるときも
「いやあこの○○の部分がいいですね!だいすきです!」
と嘘でもいいから褒めてくれて
こちらのモチベーションをもたせてくれる、
とても気のよくつく、しっかりとした編集さんでした。
私より若く、まだ20代なのにめずらしいなあと思っていました。
また、仕事柄、ほとんど外にも出ず、誰にも会わないことが多い毎日でしたので
彼と会って話す時間はたいへん有意義で楽しみでした。

が楽しみの域を超えたことはありません。

最近私がブログをはじめて、しかもたべもの関係のブログも
別にやっている、と聞くとわざわざみてくれて

「実は自分も食べることがだいすきなんです。
読む人の好き嫌いがあるかもしれませんが
あの内容は濃くてとても僕好みです。
一回でいいから食べてみたいですよ、ものすごく興味がありますね」

といった流れで、一度食べにきてくれたこともありました。
当日はとても忙しかったらしく、パっと素早くきれいに食べては
「すすすっすいません!」
と慌ただしく帰っていきましたが
帰る際、
「本当にごちそうさまでした!想像以上でした!
以前行ったフランスのとある地方の料理に…
え?あ。やっぱりそれを?うわやっぱすごいや!
ものすごく美味しかったです!本当に!
本当に来てみたかったんです!ありがとうございました!」
と私の手をぎゅっと握っていきました。

今までは打ち合わせ等で会い、別れる際にはお互いおじぎを
交わすだけだったのですが、
こういったアクションははじめてだったので
ちょっとびっくりしました。

それからけっこうしばらくたった際、
またAさんから連絡がはいりました。
今度あたらしく立ち上げる雑誌の企画をまかされることになり、
それでぜひとも一緒にやらせていたきたい、とのこと。
企画内容も非常に興味があったので、すぐに了承しました。

そしてなんと
「第1回目は、まあ最初ということもあり、
編集長が大々的にやってもよい、とのことなので、
まあジツは若干のタイアップがあるのですが
京都の旅行ルポ形式で、ということになりました。」

しかし、取材する店の件数や営業時間の都合で日帰りは無理、とのこと。
一泊してしまうカタチになり、
取材には私とAさん、そしてカメラマン兼アシスタントの女の子3人で
ということになりました。

「いや僕のカメラだけだと信用がないらしくてハハハ…でも行けますか?ご家族が…」

「家をはずすのは初めてですが、3人ということだし、大きい仕事だし、
主人には了承はもらいました。当日の世話は義母がなんとか…」

「ではお手数をおかけいたしますが宜しくおねがいいたします。」

そして取材の当日、集合場所に向かうと
もう先にAさんが待っていましたが
なにやら困ったようなちょっとおこった顔で携帯を閉じており
こちらに気づくと

「いやその、急にアシスタントの子が来れなくなってしまって
…いや…困ったな…急に言われてもな…アポイントもあるし…」

と独り言のようにいい、

「すいません、こちらの不手際で…あの大丈夫ですか?」

「ああ、別にそちらの作業に支障がなければこちらは平気ですよー」

「いや本気で参りましたよ。フリーの子で、今までつきあいがなかったもので
もう少しきちんと確認をとっていくべきでした本当にすいません」

といい、そして、もう一度

「いいんですか?ありがとうございます…ほんとうに、すいません」

と言ったあとでふと、なにかに気づいたように
急にこちらに向き直り、
いままで、
みせたこともないような真剣な表情で、
まっすぐに私をみつめ、

「ほんとうに…いいんですか?」

「僕と…で…」

とゆっくりとつぶやいたのです。


「…てのはどうよ!」
ン。



いいね!いいよ!グッとくるよ!その設定!
奥さんグッジョブ!激しく身もだえ!

どうしよう!そんなひとがいたら!そうなったらどうしよう私!ウヒョー!!」


「そしてお互い意識しあうドキドキの京都の夜!」


「ギャー!どうしよう!てかない!取材旅行なんてしたことない!
だめ!想像の限界超えてるギブ!」


「ようしよしよし!じゃあ次のおはなしは!
毎週くる生協の宅配のお兄さんがジツは奥さんことをずっと!

「キャー!!!よし!お願い!」



…とってもヒマでアンニュイな午後、人妻は緻密な妄想に戯れてるよ。

…いや…ちょっとアンニュイ奥様ごっこがしてみたくてひとこと、

「ああときめきがほしいわ…」

とか思ってもないことをついうっかり言ってしまったばっかりに、
それを聞いた拳王奥様が
「じゃあどんなのがいいわけ!?こんなの!?」
と、上記のながーーーい「こんなハナシ」を延々と聞かされてしまったよ!
彼女の台所で!おもしろかったけどね!
しかしなぜフランスがいつも混入するの!?

日常に飽いてしまったアヤウゲ奥様
ゼヒとも拳王奥様におはなしを頼むといいんだ。
詳細な設定で、感情たっぷりに、ハゲしい身振り手振り付で、
あっちの気が済むまで非日常空間を味わせてくれるよ!
あくまでもあっち(あの奥様)の気が済むまでね!そこんとこ要注意!
ストップっていってもきかないからね!あのひと!

あ、でもこの日は有力な情報を得たよ!
彼女、長男が産まれてからのこと、一度、

「合コン」したことがあるんですって奥様!
「合コン」したことがあるんですって奥様!

そして相手のうちのひとりから気に入られてしまい…うはあ詳細は後日!!!

ときめきよりも応援がほしいの。てへ。
そうワタシは即物奥様。



食料保管庫「こげめつき食堂」もよろしくです。」
最近は「タコとセロリのサラダ」
タコは拳王奥様からいただきました。おいしいタコでした。

濃縮タコエキス入り特製ドレッシングの素レシピつき。


※ 拳王奥様?誰それ?って方は
まあ初心者の方は

フフフランスが足りないっていってます!の「拳王奥様その2」
拳王奥様のひととなりが!の「拳王暴露編」
あたりをどぞー。
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